प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

仏生会

'21.04.08

人よく道を弘むという
この言は実なるかな

人によって道が広まるということは真実である

『性霊集十』

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本日は仏生会、いわゆる「花まつり」、釈尊、お釈迦様の誕生日です。
釈尊は今から約2500年前に、インドでお生まれになられました。釈迦族のカピラヴァストゥという小さな王国の王子で、何不自由ない生活をされていたそうです。
29歳ですべてを捨てて出家され、35歳で覚られてブッダとなられ、仏教はそこから始まりました。

さて、それでは仏教というのは、釈尊が作り上げた教えなのでしょうか。
釈尊は、「そうではない」と仰っておられます。仏教の教え、それを「ダルマ」と言うのですが、そのダルマは「ブッダがこの世に出ようと出まいと、覚った者がいようといまいと、宇宙のはじめから変わらず存在している理法、道理であり、私つまりブッダはそれを発見して完全に理解しただけであって、決して新しい何かを作ったり主張したわけではない」というものでした。
また、「このダルマ、宇宙の道理というものは、私の前にも覚った者はいるし、私の後にもまた、覚る者がいるだろう」とも仰っています。

そのダルマを覚る場合に、誰からも教えられずとも、自分ひとりで修行をしてそれを達成する人がいます。釈尊もそうでした。そういう優れた人は他にもたくさんおられたと思います。
しかし、基本的には、先達、つまり師匠や優れた先生の弟子となり、あるいは先人の智恵、特に経典の教えを学びながら修行してこそ、覚りへの道を歩いていくことができるのだと思います。
人から人、時代を超えて伝えられてきた釈尊の教え、仏教の教えというものが2500年という時間を超えて現代の私たちにまで伝わっています。

ダルマ、宇宙の道理というものは永遠の真理ですが、それを覚り言葉にして他者に伝えられたのは、釈尊がはじめの人です。教えとしての仏教は、釈尊から始まりました。
本日は、その釈尊の誕生を記念する日です。ここから仏教が始まり、私たちの生きて死ぬ意味や苦楽の人生のあり方、救われ方、そういうものの本当のところが教えられ始めたのです。
私たちの精神、心の本当の意味での自由というものが、釈尊の誕生から言葉となって教えられ始め、以後の人々、先達、もちろん弘法大師もそのおひとりですが、そういった人々によって現代まで伝えられているのです。

私たちは釈尊、そして釈尊から始まった仏教に縁のある者ですから、世の光である釈尊がお生まれになり、ダルマという道が指し示された、そのことに感謝と畏怖の念を持ちつつ、どうぞ今日一日は「善く生きる」とは何であるか…を意識しながら過ごしてみてください。