प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

自己実現…

'18.03.11

「自分探し」「自己実現」というのも、結局は「他人からどう思われたいか」と表裏であるのは、自己というのは他者がいてはじめて成立するからです。他者と無関係な自己などあり得ない以上、「自己実現」には必ず「他者との関わり」が附随します。
そうして、そういう依存関係にある概念は虚妄(無自性)ですので、これに執着することは結果として苦に帰結します。自己と他者に限らず、万事このようなものですが、しかしその依存関係の網の目(縁起性)であるこの世俗世界においては、それを無視して生きることはできないし、虚妄でない真の認識(慧)に至るにも、この相互依存の網の目を使ってここから脱出する必要があります。
だからこそ、この世俗の中にある戒定を実践せねばならないし、その三学の根拠である菩提心を起こさねばならないし、慧と菩提心は慈悲からしか出てこられないことを知るべきなのです。なぜ慈悲が根本かというと、この世俗世界の依存関係の網を正しく認識して解きほぐすためには、自我意識に執着していてはまったく実現しないからです。こびりついた自己中心性を打破する道は、捨無量心に基づいた大悲心を体得するしかないのです。