प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

'21.07.02

色に耽る飛蛾は炎を払って身を滅ぼし 酒を好む猩猩は瓮の辺に縛せらる

色欲に飛びまわる蛾は火に飛びこんで身を焼く。酒を好む大猿は酒壷に近寄って捕らえられてしまう。

「宝鑰第四」

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南方においては一切の酒は百害あって一利なし、完全に禁止されます。寒冷地にあってはしかし、暖を取るためにアルコール摂取が必要とされた事情もあったことは事実で、同時にそれは命を保つという意味で、いわゆる神酒やspiritとも呼ばれました。古来、「薬酒一杯のみ許す」とはそういう背景もあったわけです。もちろん楽しみとしての飲酒や暴飲を許されていたわけではないですが。

そういう文化を踏まえた上で、だから僕は「他人が飲むことについては」そこまでとやかくは言いません。個人の選択です。

しかし僕個人は、得度をした25歳で酒は止めています。まず今は暖房設備もあり、かつて許されていた理由がもはや意味を成さないからです。「薬酒」といっても、敢えて酒でなくても他の薬はいくらでもあります。そもそも最近では、やはり酒は薬効がなくて害ばかり、という科学的な発表もあったように記憶していますし。
仏教実践として考えても、酒を飲んで勉強も出来ないし、法話もできない、勤行も諸行できないし、突然の枕経にも行けない…プラス要素ゼロです。マイナス要素しかありません。しかも飲酒によって身口心による乱れや破戒の危険が増加するとなれば、更に何をか言わんや。

別に飲酒撲滅とか排撃をするつもりはありません。飲むなら飲めばいいのですが、仏教的にどうなのか、ということは常に頭の隅に置いておくべきですし、不飲酒戒は僧俗通戒であることの意味も考えて置くべきだとは思います。