प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

困った人

'13.02.20

・質問

自分勝手で困った人がいます。不快な言動を平気でするので、見ているとイライラしてどうしようもないのですが、どう対処したらいいのでしょうか。
何を言っても聞く耳も持ちませんし、自分の言動に自覚もないようです。

・答え

まず、「自分が正しく、相手がすべて悪い」と思って対処すると、それは泥沼です。
そういうことは、有り得ません。個々の事象についてはそういうケースがあり得るでしょうが、根本的な「人間性」にフォーカスして考えるのであれば、凡夫である以上、誰であれ完璧な人間などいないですし、善悪は相対的な程度の問題です。
あとは、その状況をどう受け止めて考えるか。そこがポイント。

そこを押さえた上で。

誰も他人は変えられません、基本的には。

本人にその気がなければ、どうしたってダメです。何かの「きっかけ」で自省に向かえば良いのですが、それを期待することも多くは望めないのが、現実でしょう。
釈尊なら導けるかも知れませんが、釈尊ですら限度はありました。 デーヴァダッタは無理でしたよね。そんなものです。
通常の方法で他人を御することは、まず不可能です。自分すら誰も御せないのに…。
…が、そう言うだけでも実りがありません。「私自身」は、この事態をどう考えるべきでしょうか。どう仏教的に対処すべきでしょうか。

ところで。

私も自画自賛と悪口しか言わない人、そういう人に困ったことがあります。
しかもその人は自分に問題があるとはまったく思いもしていないので、たとえば十善戒の話をした時にも、「私は全部できてる」と言って憚りません。

また曰く。
「私は優しいし、誰からも好かれているし、きっと性根がどうしようもなく良いのだろう」「その良い人間がいると、それが気に入らない悪人がいるから、私をいじめる。そんな事をするあいつはどうしようもない人だから、はやく死ねばいいのに」云々。
私が「戒律というのは自分のためであって、他人を裁くためではない」と言うと、「私は自律できているからいいけれど、できていない人が多すぎる。だから私だけがああいう出来の悪い人間に裁かれている。あいつは地獄に落ちるよ、かわいそうに」云々。
まぁ大声で同意を求められるのですが、ホントに往生(笑)しました。

「悪意のない自讃毀他」が身についてしまっている人には残念ながら、何を言っても恐らく無駄です。通じません。悪意がある、自分が間違っているかも…という自覚が多少ともある人はともかく…。
少なくとも、実際問題として、私にの手には余ります。

そういう人に対して、私もまだ仏教を知らない時は本当に腹が立ちました。ただ、今は基本的にそんなに腹は立たないです。確かにイラっとはしますよ(笑) でも、その場だけです(今のところは。とてつもない「怪物」に直面した時にどういう心境になるのか、そこまでの自信はまだありませんが)。
どうして仏教を学んでからは多少、受け止め方が変わったかというと、四苦八苦というのがありますが、誰でもこれからは逃れられない…と学んだからです。
仮に苦のない人生なら誰でも理想的な人格になるはずです。苦があり、それに対する対応を間違うから、どんどん人格が曲がっていく。そして大抵の人は、人格が曲がっています。
私も含めて、ですよ。完全にまっすぐな人はブッダだけです。

だから「こりゃ困ったな」という人を見ると、「あぁ、苦が深いのだろうな…悪縁が多かったのだろうな」と。
本人が自覚していなくとも、確かにそういう人の抱えている苦は、根深いものです。
そういう人に腹を立てても、仕方ないですよ。きっと私も、他の誰かにそう思われている部分があるでしょう。
ですから、その困った人格を「直す」ことは私にはできなくとも、この人はどういう苦を抱えて、どういう生き方をしているのだろうか、なんとか仏教の教えの一端でも、その人の人生に縁つけられないだろうか、小さくてもいいから、意味がなくともいいから、仏法の水の一滴でもかけてあげられれば、と。
そう思うだけです。
これは「私の力」ではなくて、「仏教の力」を信じるからです。法師として仏法を少しでも伝えられれば、機が熟していればその人も何かを感じて、何かが変わっていくかもしれない…。
まぁ、大抵はその過程で、自分自身の至らない部分も同時に見えて来るものですが(笑)

実害があるならば別に具体的な対策を立てなくてはなりませんが、不愉快なだけなら、そういうことだと思います。
どうしても「無理だな、私には」「このまま関わってもどちらもマイナスにしか動かない」と思えば、敬して遠ざける。そういうことです。
遠ざけられない人も世の中にはいるのですが(ーー;)、その場合は、それこそ苦観・無常観・慈悲観を修行するチャンスです。
確かに色々と人間な関係は厳しく、ケースバイケースで一筋縄ではいきませんが、基本的にはそれしかないのではないでしょうか。