影
'11.11.20如何に生きても人は死ぬ。
必ず。
目の前から人はいなくなる。
私もまた。
今まで生きて来た年月を思う時、
残りの人生のなんと短いことだろう。
この短い時間でなすべきことは、
「ほんとう」のことだけ。
心を酩酊させるものはいらない。
心を遠くに彷徨わせて刺激を求め、
泡のようにはかない物質的充足を得、
人とのつながりを増やすことに価値を見出し、
それらに一時の慰めを得たところで、
死にゆく私にとってそれがいったい何になるだろう。
高慢と欺瞞を増長して「ほんとう」のことから遠ざかり、
気がつけば、私も泡となって死ぬ。
影を追うな。
形象は影だ。
言葉は影だ。
私は影だ。
あなたもまた。