篤く三宝を敬え
'19.05.08令和元年5月8日。
元号が改まってから初めての法話会です。ゴールデンウィーク中は令和ゆかりの地がたくさんの人で賑わっていました。
さて、日本の元号はぜんぶで248ありますが、一番最初の元号は何だったか覚えているでしょうか。
そう、大化です。
西暦645年、初めての元号が「大化の改新」のあの大化です。豪族の政治から天皇の政治に移行する重要な事件でした。また、令和の出典として話題になった日本最古の歌集「万葉集」の編纂がされたのも同じく7世紀のことです。
つまり、政治的・文化的に日本という国の形がだんだんと作られてきた、我が国のスタートの時期というのが7世紀頃なのです。
その7世紀の初め頃、日本という国のスタート地点に活躍された方が聖徳太子です。
聖徳太子は冠位十二階を定め、法隆寺や四天王寺を創建されたほか、「十七条の憲法」を制定して「日本の国というのはこういうあり方である」と日本の進むゆく方向を示されました。
その第2条に「篤く三宝を敬え。三宝とは仏法僧なり」という風に始まる条文があります。その後はこのように続きます。
「生きとし生けるもの最後に行き着くところは、どこの国でも究極の宗教です。どの時代でも、どんな人でも仏教を尊ばないものは無い。人間に悪い者は少ない。良く教えれば正道に従う。仏教に帰依しないで、何で曲がった心を正すことができようか。」
つまり、「仏法僧の三宝を敬い生活することが、人が人として生きていくための社会の大切な基本理念である」という風に示されたのです。
ではその三宝とは何かといいますと、まず仏様、それから仏様の教え、そしてそれを身をもって実践されている人々の集まり、というこの3つです。仏教徒とはこの仏法僧の三宝を信じて、自分も従って行きますという決心をするところから仏教というものが始まります。
3というのはつまり仏道を歩む始まりの数字なのです。この三つを信じて敬うというところから、仏教や信心が始まります。日本のスタートに聖徳太子が示されたこの三宝の教えは、私たちが信心を持って仏道を歩むまず第一歩目のスタートのための教えでもあるのです。
さてでは、スタートがあるのなら、ゴールはどこになるのでしょうか? 三宝の3がスタートの数字。では仏教のゴールの数字は何でしょうか?
先月4月8日はお釈迦様のお誕生日でありました。お釈迦様がお生まれになった時、7歩歩いて天上天下唯我独尊というふうにおっしゃったと言われています。これは六道輪廻、つまり地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天・・・という6つの迷いの世界を超えた7番目の覚りの世界に私は至ろう、という宣言なのです。
迷いを超えた安楽の7つ目の仏の世界、悟りを開いた先にある完成の数字、ゴールの数字が7ということになります。
ですから仏教では3と7という数字をとても大切にします。だから法事は、3と7にまつわる年にやるのです。
3は始まりの数字、7はゴールの数字。信心を始める人がしっかりとその道を歩き始めるために、三宝つまり「仏様とその教えとそれを実践する人々=仏法僧」を信じて敬って従いますと決意しスタートを切る。そして六道輪廻の世界を超えた7つ目の仏の世界に安楽の境地、浄土に至る。
3から7に歩くための資格は誰にでもあります。私たちは生まれながら「仏の子」です。仏様のこころ、いのちはちゃんと最初から心の中に備わっているのです。それは、心中の「光」です。
どうか普段の生活の中でこの光が自分の心中にあると意識して、仏様の心、自分の中に備わる仏の心を大いに発揮していきましょう。