प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

苦海

'16.10.27

太平洋のど真ん中に放り投げられて、あなたは溺れている。
沈みそう、苦しい、先が見えない、暗い、冷たい、サメが寄って来る。

そんな海を溺れながら浮つ沈みつ、漂う。

頭が上に出ている時に呼吸をし、沈む時にはわけがわからない。

海は、輪廻の全体だ。

少しの間、頭が海の上にでている時が、まさに今、現世である。
海の下にある時が、死んでいる時である。
その後また浮かび上がれば、来世である。
そうやって、苦海を浮き沈みしながら、いつ果てるともなく漂い続けている。

今、頭はたまたま、海の上にあり、一息付けている。
呼吸が、できている。

ふと見上げると、美しい雲、穏やかな風。
もしかしたら何かしらの食料が漂ってきて、思いがけず食べられるかも知れない。
少しまどろめば、蠱惑的な夢の世界に遊べることもあるだろう。

人はこの一時の「楽」がいつまでも続けばいいと思う。

しかし波に翻弄されて、あなたは溺れているのだ。

忘れてはいけない。

すぐにでもまた、あなたは波にのまれて沈んでいくだろう。
この苦海から脱しない限り、いつまでも溺れ漂流する事態は何も変わらない。

だけれども、この海には陸地などないのだ。

助けに来る船とて、ありはしない。

さぁ、どうする、どうする。

そう。

溺れるあなたがあるうちは、終わらないのだ