प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

日本仏教の未来

'10.02.18

仏教はもともと国際的な宗教なんですが、日本仏教は発信力が非常に弱いです。

これは発信のための語学力のなさ云々以前に、そもそも私たち仏教徒が、日本仏教というものを知らなさすぎることに原因があるのでしょうね…。インド仏教の時代区分を言える人ですら、日本仏教については高校教科書程度の知識しかなかったりして愕然とします(つまり、宗派として確立された仏教だけが日本仏教だと思っている…)。
神道・儒学を含めた日本思想の基本的な啓蒙が、国際化以前にまずは必要だと私は痛感しているのですが、古典語読解力や伝統的知識に対する劇的な低下もあり、従来のやり方を踏襲しているだけでは限界があるだろうな…と感じています。
このままでは、日本仏教ひいては日本思想のすべてが失われてしまう危惧があります。

ところで今、「日本に移民を入れるか否か」という議論があります。

私、日本の伝統を保持していくためには、もしかしたら移民を受け入れるという方向性もあるのかな、と思っています。移民には必ず日本語と日本文化の基礎的な講習を課し、日本政府(日本教育界や世間の風潮)が現在の日本語・日本文化蔑視政策を廃すれば、という条件付きですが。
イギリスは移民が多くいますが、シェイクスピアはやはりシェイクスピアで、移民であるイギリス人にとっても、少なくとも二世三世になれば、それは「彼らのルーツのひとつ」です。
民族としての血統主義に固執して誇り高き緩やかな衰退を選ぶか、移民を日本化していくことで日本語・日本文化の流動性を高めて国際的・文化的なプレゼンスを上げていくか(そのためには、もしかしたらフランスのような全面的な「日本文化・伝統の維持政策」が必要かも知れません)、そこまで考えるべき時に来ているのではないでしょうか。

日本仏教の素晴らしい蓄積や伝統は、いずれにしても現状のままでは早晩、一部の学問の世界を除いて、すべて失われていくでしょう。そして通俗的な「日本否定」の風潮とともに日本仏教も軽蔑されつつ、その影響力を失ってしまうと思います。
日本仏教は世界的な思想であると私は考えているのですが、これを世界に発信していくために、まずは私たち自身が日本仏教・日本思想が如何なるものであるか、もっとしっかりと見つめていかなくてはならないと思います。