प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

景色

'18.01.05

銀雪地に敷き 金華枝に発く 池鏡私なし 万色誰か逃れん 山水相映ず 乍ちに看て腸を絶つ

銀雪が大地に敷かれ、枝々には金色の華となって発光している。池の鏡には風光が明瞭に映され、山と水が融け合った景色に感嘆すること極まりがない。

「性霊集二 沙門勝道」

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美しい景色はただそれぞれバラバラの個別のモノ、それだけで美しいわけではない。周囲の様々な要素が相合わさり支え合い、全体として調和をしたときに始めて、美しく目に映じる。もちろん、それを見て感じるこの私も、その要素のひとつだ。
自然の風光だけではなく、僕たちひとりひとりが善い人間であったり悪い人間であったり、あるいは喜怒哀楽、苦楽その他、心の風景も個別バラバラでそうなっているわけではない。いずれにせよすべてが融けあい絡み合うところに、それは現れる。
まず隗より始めよ。
もし美しくない心を他人の中に見てしまったら、それはあなたの心も含めて美しくないのだ。あなたの心は、他者の心と同じ場所にある。
他人だけを変えようとするのではなく、その美しくない景色を、まずは足元から、自分の心から美しくしていこう。花を植えよう。
そうすれば、世界はそのぶんだけ、美しくなる。