प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

彼岸

'17.03.07

今年は三月二十日の春分の日を中日として、三月十七日~三月二十三日までが、春のお彼岸になります。

「彼岸」とは、「向こう岸に渡る」という意味です。喩えとして、迷いのこの世をこちら岸・此岸と言いますが、その此岸から、川の向こうの覚りの世界である彼岸に渡るために教えを守り、行いを慎む期間が、本来の彼岸の意味です。ですからそういう意味では、彼岸は「修行期間」なのです。

また、春分の日や秋分の日は、太陽が真西に沈みますが、西には極楽浄土があり、ご先祖様がおられるということで、彼岸の時期はもっともあの世との距離が近くなり、思いが届きやすいとされていますので、この期間中にお墓参りをするのも大切なことでしょう。

ところで、お墓参りには「お供え」をします。何をお供えしても結構ですが、古来からお彼岸には春は「ぼたもち」・秋は「おはぎ」をお供えすることも多いです。餅は五穀豊穣、小豆は魔除けの働きがあるとされていますので、この時期にご先祖様に生活の糧をいただいていることを感謝し、家族の無病息災を祈る印として、牡丹餅をお供えします。

「お供え」という事では、もっとも大切なお供えは、私たちの「功徳を回向する」ということです。日日の善行・修行の功徳を、ご先祖様や故人の安楽・覚りの為に回し向け供養することです。
その為の「善行・修行の功徳」をしっかりと積み、覚りの世界・彼岸へしっかりと向かっていきますようにと実践するのがお彼岸という行事ですから、私たちがしっかり手を合わせて身を慎み、功徳を積んで、お墓参りをして、あるいは仏壇の前で手を合わせて、その功徳を回向供養しなくてはなりません。

具体的な修行は、以下のようなものです。

十七日  布施 他者へ施しをし、その功徳を供える
十八日  持戒 戒を守る功徳を供える
十九日  忍辱 喜怒哀楽に左右されない平静な心の功徳を供える
二十日  中日はすべてを実践する
二十一日 精進 精進の功徳を供える
二十二日 禅定 読経・修行の功徳を供える
二十三日 智慧 仏教の教え・智慧を得たいという志の功徳を供える

この中で特に大切なのは布施の心ですが、誰でもできるものに「無財の七施」があります。

★眼施  優しい眼差しで人と接すること。
★和顔施 和やかな顔で人と接すること。
★言辞施 優しい言葉遣いをすること。
★身施  人の代わりにこの身体を使って仕事をすること。
★心施  慈悲の心で、相手に心配りをすること。
★牀座施 座席や地位などを相手に譲ること。
★房舎施 修行者や旅人に住まいや休憩場所を提供すること。

このような行いを彼岸の期間中にひとつでもふたつでも三輪清浄の心で行い、その功徳をご先祖様・亡き方々にお供え・回向してください。それが最上のお供えですし、故人がそのような生き方をしているのを見たら、きっと喜ばれると思います。