प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

問題の解決

'22.06.09

何かしら生活上の悩みや問題点がある場合、大きく3つのステップが考えられます。

1.問題に至る流れや背景の把握と対策を立てる
2.当面の対策の実行
3.改善を維持していく習慣の確立

だいたいは2.にばかり関心が向いているパターンが散見されますが、根本的な解決には1.と3.が非常に大切なステップとなります。

ゴミ屋敷を例にすると、

1.なぜゴミ屋敷になったのか、経緯やメンタルの現状、経済的な面や人間関係を含めた周辺環境の問題を把握して、片付けの方法を考える。
2.実際にまず片付けて目先の問題を解決する。
3.キレイな状態を維持するために、住民の生活習慣や思考パターンを変えていく、周辺環境の改善。

…となります。

仏教においては、特に3.に関わる部分に強みがあります。そしてその3.こそがもっとも大切な部分です。
しかしそれはそうなんですが、1.と2.をすっ飛ばして3.だけで大丈夫な人は、よほど自覚のある人に限られますし、そもそも現状でにっちもさっちも行かない問題を抱えている場合、3.だけでは「机上の空論」のように受け止められかねません。

そこで1.と2.をどうするか…ですが、この手法は様々あります。問題の種類によっては、たとえば2.については、医療や弁護士、行政に繋がるべきこともあります。
真言密教で祈願や祈祷の出番になるのも、2.の段階です(実は「供養」も、対象の方が仏果を得るためにする祈願の一種です)。

1.も様々なやり方があります。
論理的に筋道を立てて状況を考察し、原因や問題の構造を把握していくことも良いでしょう。ただなかなか「完璧」に把握はできないと思います。状況全体、相手の心のみならず、自分の心すらブラックボックスの部分がかなりありますから。

占術というものがあります。
街中にも「占い」の看板は散見されますし、寺社においてもそれを行うところがあります。
占いに依存してしまう方(させる輩)もいますが、実は占術は1.を主なフィールドにしています。ですから占術だけでは問題の解決にはなかなかなりません(占術家には反論もあるかも知れませんが)。
それを受けて、具体的に解決へ努力し、とりあえず解決したあとは再び同じ問題に陥らないためにきちんと思考行動パターンを改善してはじめて「本当の解決」です。
また、「どうしても解決できない問題」ならば、3.によってそれを飲み込み昇華していくことが必要です。

1.から3.にパッと進む場合もあります。
1.2.3.と進む場合もあります。
1.ばかり考えてしまう、あるいは2.ばかり頼って同じことを繰り返す人もいます。自分の現状を見ずに3.ばかり述べ立てて言行不一致な「口だけ聖人」もいるでしょう(1.2.がなければ3.はあり得ない)。

私は祈願・祈祷、あるいは占術には肯定的です。そこには実際の力や効果、教示、徴、があります。ありますが、すべて3.があってはじめて本当の価値があります。3.がなかったら虚しいものです。
3.は別に仏教でなくても構いません。キリスト教や神道、スピリチュアルでも構わないのです。それぞれの信仰や信条の善い部分にフォーカスし、善く生きること、思いやり(慈悲・愛)を大切に生きる、人知の及ばない何かがきっとあるのだと、そう思って自らがなるべく善く生きていく決心をする。それが大切なんだろうと、私は考えています。