प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

自我と所有

'23.02.08

我我の執いよいよその根を固くし
有有の迷重なりてその葉を繁くす

「平城灌頂文」

我執の根っこは、暗い土の中に潜り込んで頑迷に自我を主張していく。所有欲の飽くなき追求はから森林の葉のように次々と繁殖していく。

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「私」は波のようなものだとわからず、他と関わらず成り立っていると思うから「自分」にこだわり、他人より自分を大切に考える。逆に、自分を犠牲にして他人ばかり気に掛けるのも裏表でこだわりがあることになる。
ものごとは関わり合いながら成り立ち、その奥にはひとつの、たったひとつの生命があることを知らず、目に見えないことを無明つまり、根本的な無知という。それがすべての苦しみや迷いの根っこだ。
その孤独の不安から身を守るために、物やお金や人間関係をかき集めて安心を得ようとするけれど、その安心も「我とあなた」を切り離して自分を立てて得た安心ならば、いずれ慢心や無慈悲に陥り、やがて更なる安心を求めてきりのない欲になっていく。
そうやって集めた安心材料は結局いずれこの世にすべて置いていく。たったひとつの生命と繋がっている、すべてと境目なく絡み合いながら繋がっている自分を知らないままならば、「その時」には何の拠り所もなく濁流に呑まれていくしかない。