それそのもののために
'25.02.23仏教を学んで何の役に立つのか、仏教徒の立場からインド哲学やヒンドゥイズム、イスラーム神学やスーフィズム、キリスト教神学やキリスト教神秘主義、ギリシャ哲学や宗教哲学を学んで何か利益があるのか。そんなことより金融投資や行政実務、政治、社会問題解決について学ぶほうが、現代社会では役に立つことが多いのではないか。
まったくその通りで、この世を賢く生き抜くためには、実学に勝るものはないだろう。
ではなぜ私は、そんな実学に半ば以上も背を向け、仏教だの宗教だの哲学だのを、部屋にこもってやっているのか。
実はそこには何の実用的な目的もない。
いずれ私の前から消え去る人類社会の秩序と実務、モノ・コトの世界を透かして見えてくる〈真実〉〈ほんとうのこと〉、真如であれ神であれ存在一性であれ、どう呼ぼうが、ともあれ何にしても、それそのもののために、それそのものを目指し、それそのものに突き動かされ、それそのものが真の価値であるがゆえに、生きて死ぬ私は今この場所でそれを超えるためにのみ、仏教だの宗教だの哲学だのをやっているわけだ。
覚りや救いという目的すら、そこにはない。それは目指された途端に虚偽となるのだから。