प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

六波羅蜜

'19.03.27

大乗仏教の実践の基本は六波羅蜜です。

原理的に波羅蜜乗と真言乗を分離していく考え方もあるのですが、如何にしても現実生活においては具体の実践方便は重要であって、その根本はやはり六波羅蜜であります。

この六波羅蜜は様々な経論に説かれておりますが、この度は無著菩薩『摂大乗論』からご紹介します。この論書の第四章(入因果勝相)では十一節に渡って六波羅蜜を説いていきます。
この中から、第五節・第七節を取り上げましたが、非常に明快簡潔に六波羅蜜を解説されていますので、参考になさってください。

以下は岡野守也・羽矢辰夫による現代語訳からです。

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【第五節】 名称について

どのような意味で、六波羅蜜という名称を立てるのか。どのような意味として見るべきか。

一切の、世俗、声聞、独覚の布施などの善の機能のなかで、もっとも勝れ最高だからであり、〔悟りの〕彼の岸へ到りうるから、それゆえに共通して波羅蜜と呼ぶ。

物惜しみ、嫉妬、また貧困、下賎の苦しみを破滅するので、「陀(da)」という。また、大資産家になることができ、また富と徳の資源を誘引するので、「那(na)」という。こうした意味があるので、「陀那(Dana)」(布施)という。

誤った戒律や悪しき道を鎮めるので、「尸(si)」と名づける。また、善き道と三昧を得ることができるので、「羅(la)」という。

瞋りと恨みの心を除くことができるので、「犀(ksa)」と名づける。また、自他の平和を生み出すので、「提(ti)」という。

怠惰ともろもろの悪しき存在を除くので、 (vi)」と名づける。また、いいかげんでないということを実行し、限りない善き存在を生み育てるので、「梨耶(rya)」という。

注意散漫を除くことができるので、「持訶(dhya)」と名づける。また、心を 導いて内面に集中させるので、「那(na)」という。

一切の〔誤った〕見方を滅ぼし、誤った知恵を除くことができるので、「般羅(pra)」という。真実の相を対象として、その種類に従って、一切の存在を知るので、「若(na)」という。

【第七節】 六波羅蜜の違いについて

もろもろの波羅蜜の違いはどのようなものだと知るべきであろうか。
それぞれに三種あることによって、その違いを知る。

布施の三種とは、第一は真理の教えの施し(法施) 、第二は財産の施し(財施)、第三は恐れのない心の施し(無畏施)である。

持戒の三種とは、第一は抑制し防御する戒(守護戒)、第二はあらゆる善を包摂する戒(摂善法戒)、第三は衆生を受容し利益する戒(摂利衆生戒)である。

忍辱の三種とは、第一は他者の辱めや攻撃に堪える忍(他毁辱忍) 、第二は苦しみを安らかに受けとめる忍(安受苦忍)、第三は真理を洞察する忍(観察法忍)である。

精進の三種とは、第一は積極的に努める精進(勤勇精進)、第二はいっそう実行する精進(加行精進) 、第三はあきらめて撤退することがなく、壊されることなく、自己満足することのない精進(不下、難壊、無足精進)である。

禅定の三種とは、第一は安らかなる心に止まる禅定(安楽住定) 、第二は神通力を引き出す禅定(引神通定) 、第三は他者を利益する禅定(随利他定)である。

般若(智慧)の三種とは、第一は無分別に到る行の般若(無分別加行の般若) 、第二は無分別の般若[そのもの] 、第三は無分別[智]の後に得られる般若である。