प्रज्ञापारमिता
~仏教のおはなし~

初心

'20.08.01

今年も早、お盆になり、今年もあと4ヶ月と少々になりました。
皆さんは今年の初めにはどんな目標を立てましたか?
それは達成できそうですか?
コロナ、コロナで普段とは違った日常を過ごしていく中でなんとなく落ち着かず、身を入れて物事に取り組むことが出来にくかったかも知れません。
さて、今年の残りはどのように過ごしていきましょうか。

初心を仏は成仏の因と説く

お大師様は『十住心論』という著作の中でこのようにおっしゃっています。
「成仏」という大きな目標を達成するに至るには、初めに志した時の熱く堅い決意にこそある、と。
何事につけ、だんだん月日年月がたち慣れてくると、私たちはつい慢心したり情熱を失って、「まぁこんなものでいいか」と流されてしまうこともあると思います。しかしそこでふと立ち止まって初めの頃の気持ちを思いだして、決意を新たに歩み続けることが大切です。

初心というと、「初心忘るべからず」という言葉を思い浮かべると思います。

この言葉は、元々は能の大成者である世阿弥が記した『「花鏡」奥段』の中の言葉です。

*是非の初心忘るべからず
*時々の初心忘るべからず
*老後の初心忘るべからず

と、3つに分けられています。

最初の是非の初心とは、未熟だったときの下手だった事やその時味わった悔しい恥ずかしい思い、それを忘れずに努力していかないといけない、ということです。
次の時々の初心は、習熟してきてもその段階、年齢にふさわしい物事に挑む必要があり、その段階においてはいつも初心者である、ということ。
最後の老後の初心、老年期になってはじめて行える事もあり、それについてはやはり初心者である。年をとったから大丈夫とかもういいと言うようなことはない・・・たとえば100歳であっても、生まれてはじめての100歳です。毎日の出来事も同じようでぜんぶ違うでしょう。そこには新しい経験しかありません。

「初心」といっても、一番最初だけが大切というわけではなく、その時々で理解も習熟度も経験も環境も変わっていきますから、その都度見えてくる物や出来ることも変わってきます。
その時に慢心することなく、日々の忙しさに流されることなく、心を静めてシンプルに向き合ってみましょう。
そして改めて決意を固め、歩みを止めることなく精進し続けることが大切なのです。

立秋を過ぎてお盆を迎えるにあたり、この8月はゆっくりと心を落ち着けて色々考え、9月からまた充実した日々を過ごして参りましょう。
お大師様はいつでも初心を忘れない私たちの背中をおしてくださっています。