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'09.08.23
自力と他力
仏教ではよく、「自力」「他力」という言葉が使われます。 一般的には、阿弥陀如来にすべてをおまかせして自分のはからいを捨ててしまう浄土教系の立場を「他力・浄土門」、座禅その他の修行を行って覚りに至らんとする道を「自力・聖道…
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'09.08.23
いつ死んだか
仏教においては、寿命と体温は相即しているので、体温がある限りは生きているのですよね。つまり、何時何分死亡、ということは言えない。徐々になくなっていく体温を見守りながら、みんなでゆっくり見送る。「いつ体温がなくなったか」は…
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'09.08.10
菩薩のことば
丘山新教授の著書『菩薩の願い』(NHKライブラリー)に、宮澤賢治の詩が紹介されていました。 宮澤賢治は法華系・国柱会の信者としても有名な文学者で、彼の童話や詩の多くは、その根底に仏教・法華経の思想が流れていると言われてい…
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'09.08.09
理念と現実
8世紀のヒンドゥー教の聖者、インド哲学ヴェーダーンタ学派の大成者に、シャンカラという人物がいます(シャンカラとは?)。 彼は不二一元論の哲学を樹立したことで有名ですが、その基本的テーゼは「我々の内なるアートマンと絶対者ブ…
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'09.07.07
「偽経」とは
仏教には、「偽経」と呼ばれるものがあります。あるいは「擬経」とも書きますが、いずれにしても「偽の経典」「疑似経典」という意味ですから、なかなか不穏な単語です。 主な「偽経」としては、例えば『父母恩重経』『盂蘭盆経』『不動…
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'09.07.05
イェーガー神父
イェーガーというカトリック神父がいます。禅に接近し過ぎであり(印可も受けています)、その神秘主義的な主張が神の絶対性を侵す、というような理由でバチカンから活動停止命令を受けた方(破門はされておらず、今でもベネディクト会士…
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'09.06.23
道
あらゆる道はローマ通ず…。 様々な宗教の指し示す真理は同じであり、ただその辿るべき道が違うだけ…山頂はひとつでも道は多様なものである。 というようなことはよく言われます。 これはある意味では是、だと思います。例えばキリス…
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'09.06.18
如来と衆生の視点
大乗仏教と部派仏教の最大の違いは、それが「如来の視点の仏教」か「衆生の視点の仏教」か、という点にあるのだと思います。もちろん前の視点は大乗、後が部派。 衆生の視点で考えれば、我々は妄念・無明の存在ですから飽くなき修行、そ…
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'09.06.15
大乗非仏説
・質問 大乗仏教は歴史上の釈尊の説ではないから、偽仏教ではないのですか? ・答え 私は色々な場所で縷々書いているのですが、大乗非仏説論を主張する学者は前世紀まででしょう。今時そういう事をいう学者はほとんどおりません(もち…
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'09.04.04
今
遇い難き仏法に遇えり。このたび出離の業を植えずば、いつをか期すべきと思うべきなり。 法然『十二箇条問答』 ………………………… 釈尊在世の時代に巡り合わなかった、あるいは龍樹菩薩なり祖師の時代から今は遠く隔たり、仏教も形…
